岡崎でお香体験!
夏休みが近づくにつれて、子育て世代を悩ます自由研究テーマ。
せっかくなら、ご自身もお子さんと一緒に楽しめ、学びのあるテーマを選びたいですよね。
今回は、そんな悩めるご家庭におすすめの「お香づくり体験」を取材してきました。
今回教えてくださったのは、「たまも庵」の磯貝かぐら先生。
主に三河地方のお寺や神社で、日本の歴史・文化の流れに沿った、手作りお香体験を提案されているかたです。
今回作成するお香レシピは、嵐の松本潤さんがテレビ番組内で体験をしたことで話題を集めた、徳川家康公の調合記録「香之覚」に基づくものです。
使用する香料は、下記のとおり。
沈香(じんこう)、丁子(ちょうじ)、貝香(かいこう)、白檀(びゃくだん)、薫陸(くんろく)、甘松(かんしょう)、鬱金(うこん)麝香(じゃこう)
これに粉上の炭とはちみつを追加します。
全て天然の香原料で、なかには言葉では形容しがたい香りのものもありました。
特に沈香は甘く、少し刺激的な、初めて嗅ぐ複雑な香りでした。
人工的に生み出すことが難しい香りで、とても高価な香原料とのこと。
天下を取った家康公だからこそ使うことができたのでしょう。
また、甘松は沈香と対照的で、嗅いだ瞬間に臭いと感じる香りでした。
一言で言い表すなら1日履いたあとの靴下のにおいです。
先生によると、甘松の臭い香りがあってこそ、奥行のある香りになるそうです。
個性的な香原料を用いレシピを完成させたところに、家康公の香りに対するこだわりがうかがえます。
全香原料と炭をすり鉢に入れ、すりこぎで混ぜていきます。
徐々に香原料とは違った香りに変化していきます。
はちみつを入れ、粘り気をだします。
普段は料理に使うはちみつが、お香づくりにも活躍するとはびっくりです。
はちみつを入れてからが非常に固い。
力を込めて混ぜていくと、生地がすり棒にくっつくほどの粘度が出てきました。
最後に丸くしていきます。
これが意外と繊細な作業。
体温で手の平に引っ付き、なかなか丸くなってくれません。
やっと完成させることができました。
思った以上に大きなサイズの香料が完成。
実際に火で温めて香りを嗅ぎました。
正しくは、「香りを聞く(聞香)」というらしいです。
むっくりとした甘さと、鼻の奥をくすぐるようなスパイシーな香りがあり、それでいてどこか落ち着くような感覚があります。
言葉では伝えづらいので、ぜひ皆さんご自身で聞いていただきたいです。
様々な香原料を混ぜ合わせ、初めて完成するお香。
その奥深さと魅力に触れられた体験でした。
保護者の皆さんもお子さんも2人そろって楽しめる体験だと思います。
自由研究としても、匂いの調合、変化の科学的観点、また、日本の文化歴史を掘り下げる社会的観点で、幅広く研究できるのではないでしょうか。
自由研究テーマとして、また、思い出作りに、ぜひ親子でご参加ください。
今後開催予定の講座
今後開催予定の講座
菅生神社でのお香体験は2カ月に一度、第三火曜日に開催される予定です。
開催予定の講座テーマは次のとおりです。
6月 防虫香
8月 蚊取り線香
10月 聞香(キャラの焚き比べ)
12月 訶梨勒(かりろく)