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東海オンエア×岡崎市の取組に対する質問集

Q1
2016年に「東海オンエア」を観光伝道師に任命した理由・背景について

観光行政は主に誘客による消費増、つまり地域の経済振興を目的としています。さらに、リピーターから移住者の獲得につなげることも視野に入れると、若い世代の誘客を増やしていくことが望ましいですが、歴史観光を進めていた岡崎市の来訪者は年配の方が多く、若い層の来訪は非常に少ない傾向にありました。従来のメディアは若者離れが著しいため、若者の誘客にはSNSをはじめとした新しいメディアを活用することが必要でした。東海オンエアには特に若い世代のファンが多く、またYouTubeだけでなくツイッターなどのSNSによる拡散力もあったことから、白羽の矢が立った次第です。東海オンエアにも岡崎市に貢献したいという意識があったことから、すぐにマッチングがかないました。

Q2
東海オンエアの観光伝道師任命前後の観光客数・経済効果・知名度の変化

 岡崎市の観光集客数は、桜まつりや花火大会といった大規模イベントに偏っており、開催日の天候などによって非常に大きく変動します。そのため、市全体の観光客数の統計からは観光伝道師事業による変化を読み取ることはできません。また東海オンエアファンの訪れる場所は来訪者数をカウントできない施設が多く、観光客数は指標として最適であると考えておりません。経済効果についても、正確に算出することは非常に難しいですが、東海オンエアファンへのアンケートを基にした推計値では直接経済効果約40億円、移住者の年間消費が約2億円程度と考えております。
集客数より変化として大きかったのは「客層」です。以前は武将・歴史観光でPRしていたためご年配の来訪が多かったのですが、最近は驚くほど若い世代の来訪が多くなりました。等身大パネルを置いた施設でも「見たことがないくらい若い人たちが来るようになった」との声を聴いています。従来の歴史観光目的の客層は変わらないまま、聖地巡りを目的とする若者が純増した形です。また、市内での東海オンエアの認知度も上がったことから、子や孫とみているご年配の方と遠方から来たファンが交流している様子も見られるようになりました。これは来訪者の満足度を引き上げる要因となっており、リピーターや移住者の獲得にもつながっています。
知名度について、他に例がないほど密接な関係を築いていることから、メディアに取り上げられることも多く、また等身大パネルをはじめとしたフォトスポットが多いことから、旅行者自身がSNSで写真をアップするなどの二次拡散も増えました。東海オンエア自身による岡崎情報の発信と合わせ、若い世代で岡崎市の名前は広く浸透したと考えています。観光PRキャラバン等で遠方にPRに行った際も岡崎市=東海オンエアで興味を持ってくれる若者が非常に多かったです。当初の目的でもあった若者向けのSNSにマッチングしたPRが図れていると認識しています。
 

Q3
岡崎市と東海オンエアによる地域活性化の成功要因

東海オンエアとの連携において、岡崎市は主に2つの配慮を行っています。一つは、市として企画を行う際は彼らのファンが喜ぶ企画になるよう心掛けること。もう一つは、市内での動画撮影をしやすくすることです。岡崎市では、それをフィルムコミッションによる撮影支援として行っています。通常は映画やドラマなどの撮影を誘致する事業ですが、岡崎市はユーチューブも対象とすることで公的に彼らの支援を行っています。企画や話題の多さは、岡崎市にとっては誘客に、東海オンエアにとってはファンサービスにつながります。撮影支援は、岡崎市にとっては聖地の創出に、東海オンエアにとっては活動の幅広さにつながります。こうして行政しかできないWinWinの関係を築けたことが成功の肝だと考えています。

Q4
一般的な「観光大使」との違いについて

観光大使という制度が担っている実務や任命フローは、自治体によって異なるため、一概な比較はできません。当市でいう観光大使とは、毎年市民から選ばれる女性の二人組を指し、公的なイベントでの当市観光PRを担うものです。こちらの制度が先にあったため「岡崎観光伝道師」という別の名称を設定した経緯があります。

Q5
活動概要

観光振興の目的は地域内消費の増大であり、大別して次の3種のプロセスがあります。

① 市の知名度向上
② 誘客促進
③ 移住促進

東海オンエアが岡崎での撮影を続けてくれる限り①の効果が見込めます。そのため「岡崎観光伝道師」の肩書を委嘱し、施設利用調整や手続き、法令とのすり合わせなど、東海オンエアの撮影を公的に支援しています。
②についても、当初は市のイベントへの出演などの単発的なものが主でしたが、今は聖地巡礼の推進や等身大パネルの設置など、恒常的な受け入れ環境の整備を主にしています。これにより、イベント会場周辺だけでなく、街中をじっくり見てもらうことができるため、街の魅力のPRにもつながり③につなげることができます。
③では、市政だよりや就活情報誌に東海オンエアを掲載し希望者に郵送配布することで、岡崎市での生活をイメージしてもらい、また就職先の選択肢としても検討してもらえるようにしています。
いずれのプロセスも、肖像をはじめとした権利利用と市内ロケの推進が前提となっています。

Q6
他の観光伝道師との役割の違い

  • 東海オンエア
動画による市の紹介やイベント出演の他、等身大パネルやラッピング公用車の運用に代表されるような肖像権利用による誘客・PRを行っています。ターゲットは主に10~30代の若い世代。定期的なスポットの造成や啓発品の更新でリピーターを増やし、また消費増大のためコラボ土産の開発も始まりました。認知度向上、誘客促進、消費増進、移住促進、全てにおいて多大な効果を上げています。撮影で取り上げられる施設も増えており、特に飲食事業者の活性化にも大きな効果があります。
 
  • H△G
市のイベントでのライブ出演の他、岡崎市の自然やイベントをテーマとした楽曲を多数制作し、MVも多数岡崎市内で撮影しています。MVはユーチューブでの公開がメインですが、ターゲットとなるファン層の趣味嗜好が東海オンエアのファン層とは重ならず、全く違うアプローチを担っています。特に中国で人気のあるアーティストでもあり、インバウンドへの効果にも期待しています。認知度向上や誘客の他、岡崎市のイメージ向上への寄与が大きいです。
 
  • 佐野勇斗
岡崎観光伝道師の肩書と岡崎市出身というプロフィールの公式化により、東海オンエアとは違ったメディアに向けた岡崎市の露出を図っています。その他、グッズ用の写真撮影や発売記念イベントを岡崎市で行っています。東海オンエアよりもファン層が幅広く、また、活躍の場が映画やTV(ネットTV含む)という全世代型のメディアであること、そしてイケメン俳優というキャラクターイメージも相まって、岡崎市の認知度向上と市民の地域愛醸成にも大きな役割を担っています。
 
  • オカザえもん
主にTwitterやイベント出演でPRを行っています。マスコットということで小さい子供からご年配の方まで幅広く人気を集めています。ビジュアルの使用のハードルが低く市の事業にも非常に協力的なので、グッズやお土産も数多く販売しています。岡崎市がPRのためにイベント等に出展する際にも出演していただけるのは他の観光伝道師にはない強みだと思います。
 
共通点は、四者ともに自身が活動するフィールドを活かした中で岡崎市のPRをしていただいているという事です。相違点は、前段で挙げた活動や役割の他、大きな違いとして誘客力が挙げられます。H△Gは素顔を公開しておらず、佐野勇斗はアーティスト兼俳優として東京で活動しています。その点、東海オンエアは動画の内容から岡崎市で活動していることが明らかであり、どこで何をしていたかが非常に明確です。活動内容も奇抜ながら親しみやすく、違う世界の人という感覚が薄いためか、岡崎に来れば会えるという印象があるようです。実際に岡崎まで足を運ぶファンの数は比較になりません。
他にも、岡崎と関連した活動の頻度にも明確な差があります。日常動画でも岡崎の街中の風景が頻繁に登場し、肖像権を使用した市のPR事業も、彼らの許可が早いことから月に1回以上は何かしらの企画を行えています。
 

Q7
観光推進等におけるYouTubeというメディアの強み

ユーチューブの行動訴求力はテレビや雑誌といった既存メディアよりも強く、ともすればSNSによる口コミに近い効果があると考えています。テレビの場合は一度放送を見逃すと再放送などを待つしかありませんが、ユーチューブであれば新しくファンになった人が過去の動画を見ることは十分にありうるので、効果の見込める期間が長いことも特徴の一つです。

Q8
行政と地域在住YouTuberが連携することの強み

最も大きな特徴は恒常的な撮影支援です。特に東海オンエアは週に6本動画を上げていることから、その頻度は類を見ません。
次に、肖像権の利用範囲の広さが挙げられます。芸能人の場合はイメージを大事にするため、使用に大きな制限がかかります。しかし、東海オンエアの場合は彼らの厚意により啓発品や等身大パネル、公共広告物、公用車ラッピングなど多方面に使用させてもらっています。どれも現状、東海オンエアとしか実施できていない事業です。
また、トラブルをプロモーションにつなげやすいのも東海オンエアの特徴です。てつやのパネルが盗まれた際は2台目を制作して「弟」と名付けたり、ゆめまるのパネルが首を折られたときは首を着脱式にして「デュラハン」と命名しました。こういった手法は、彼らとのタイアップ事業でしか実施できないと感じています。

ただし、これらはあくまで東海オンエアと岡崎市だからこそできたことだと考えています。岡崎市は幸運にも相互に強みの提供が成り立ち円満に機能していますが、強みや特徴が異なる他の自治体やユーチューバーで同じ手法がとれるわけではありません。「行政とユーチューバーだからできること」というより「〇〇市と〇〇だからできること」という個々の強みを生かすことを検討すべきではないかと思います。

Q9
市内外からの反応

ユーチューバーという職業に当時は良いイメージがなく、公共施設の管理者からの「無許可で撮影している」といった報告や、市民から任命中止を要望するような意見もありました。しかしながら、これらは当初から想定されていた反応でもあり、そういったネガティブな意見も含めて注目の証左と考えていました。市役所内の他部署からもクレームはありましたが、観光推進課内部では批判的な意見は出てきませんでした。
転機としては、2018年の全国ふるさと甲子園があげられます。グランプリを獲得して以降、明確に市内外からの認識が変わりました。否定的な意見が格段に減り、これまで否定的だった庁内他部署からも、東海オンエアを事業に活用したいという要望が増えています。この変化そのものは歓迎すべきことであり、観光推進課としての事業も他部署の理解によって円滑に進むようになりました。
しかし、東海オンエアによるプロモーションは成果が大きすぎて、「とりあえず東海オンエアを使う」という風潮ができてしまったことは良くないことと考えています。現在は、事業のターゲット、目的、予算、東海オンエアに提示できるメリットなどトータル的に検証し、東海オンエアへ共有すべき提案を絞っています。

Q10
懸念点など

懸念としては、イベント出演に紐づくものが多いです。東海オンエアには熱心なファンが多く、ステージ前に前日から待機しているようなこともあります。特に夏場は熱中症等が非常に危険なため、参加のルール設定やマナー遵守策などに最も苦心しています。

Q11 経済効果について

項目 金額 備考
アンケート回答者の市内平均消費額 13,151円 一人1回あたり
アンケート回答者の合計消費額 2億9600万円 これまでの合計
東海オンエア目的移住の回答者推計消費額 4億3800万円 年間の消費額
アンケートから推計した市内消費総額 155億円 通算
 
  • アンケート回答者の岡崎来訪割合/31.8%
  • アンケート回答者/21,549人(2021年実施)
※推計値はあくまで市の独自試算によるものです。
(死にアカウント、重複、動画アップ直後1日の再生回数等を鑑み、推計値の母数をチャンネル登録者数×20%で算出)
 

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