家康館ミニ企画展「蔦屋重三郎と岡崎 ~狂歌師・三笑家資料を中心に~」
大河ドラマで話題の蔦重と江戸文化、岡崎との関係を紹介します!
本年の大河ドラマで話題の“蔦重”こと蔦屋重三郎。クセは強いが愛すべき作家たちをプロデュースし、多くのヒット本を生んだ江戸のメディア王です。粋で軽快な町人文化に毎週心を躍らせている方も多くいらっしゃると思います。実はここ岡崎にも、狂歌を始めとする江戸文化が花開いたことはご存知でしょうか。
徳川家康の家臣の一人として武功を挙げながらも「縁も恨みもない他人を殺さないといけない」ことに苦悩して帰農した深見家が岡崎市にあります。江戸時代初期に江戸で商売修業した同家の先祖は、帰郷して当時の一大産業であった三河木綿の問屋を興しました。大河ドラマでも「日本橋に店を持つことが信用の証だ」というセリフがありました。寛政3年(1791)、日本橋エリアである大伝馬町に店舗を構える名誉に恵まれました。
隆盛を極めた時代の当主は「浅倉庵三笑」の狂歌名で三河と尾張の狂歌談の指導者として活躍しました。大河ドラマでも登場する大田南畝(蜀山人)、宿屋飯盛、葛飾北斎、他に頭光、唐衣橘洲、浅草庵市人などの狂歌の大家と交流し、彼らの作品とともに掲載された狂歌集は多く残されています。
寛政9年(1797)没の蔦重の耕書堂は、現在の東京都中央区大伝馬町三丁目にあり、深見家の店の近所であったと思われます。当時耕書堂の手代を務めた曲亭馬琴の紀行文『羈旅漫録』などに深見家に滞在した記述があり、蔦重とどの程度の交流があったのか推察するのも一興です。彼らを迎える度に、岡崎の文人を招いた交流会が開かれ、地元文化向上に寄与したと考えられます。また、地元で様々な社会貢献をし、身分の上下なく狂歌を教える私塾を開いたとも伝わります。
本展は三笑と関係のある名品を中心に、蔦重が生きた時代に愛でられた品々を出品しております。その当時も天変地異や政変による混乱で人々の暮らしは不安定でした。ご覧いただいた皆様に、現代を明るく生きるヒントを見出していただければ幸いです。
基本情報
開催期間 | 2025年10月17日(金)~11月30日(日) |
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開催場所 | 三河武士のやかた家康館 家康館シアター |
お問い合わせ | 0564-24-2204(三河武士のやかた家康館) |
営業時間 | 9:00〜17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 期間中はございません。 |
料金 | 三河武士のやかた家康館 一般大人400円/一般小人・市民割200円 岡崎城と三河武士のやかた家康館の共通入場券 一般大人650円/一般小人320円 |
アクセス | ルート1:名鉄「東岡崎駅」より徒歩15分 ルート2:名鉄「東岡崎駅」より名鉄バス「康生町方面行き」他「康生町」下車徒歩5分 ルート3:愛環「中岡崎駅」より徒歩10分 |
駐車場 | 7:00~22:00…150円/30分 22:00-翌日7:00…50円/30分 ※上限1,500円で24時間ご利用いただけます。 |