北山湿地が愛知県の天然記念物に指定されました
平成29年2月10日(金)に「北山湿地」が愛知県の天然記念物に指定されました。
- 面積:26.595ha
- 所在地:岡崎市池金(いけがね)町字上落合16番地5
- 所有者:岡崎市
- 連絡先:環境部環境政策課環境施策係(電話:0564-23-6188)
北山湿地は岡崎市の中南部の池金町上落合に位置し、標高約200mの丘陵地に囲まれています。昭和55年に愛知県による愛知県自然環境地域候補地調査の際に北山湿地と記載されています。
本湿地は、山間部からの湧水が谷間に流れ込み、そこに多様な動植物が生育し、豊かな環境を形成しています。植物としては、絶滅危惧植物が多数生育し、なかでもオオミズゴケやヒナノシャクジョウ等の湿地性植物が豊富です。
また、本湿地から多様化したミゾソバ類の起源と推定されるコミゾソバ等が広い範囲に生育していて、特にヒナノシャクジョウやムラサキミミカキグサは県内でも随一の群落です。
一方、動物では、湿地の代表種であるハッチョウトンボやヒメタイコウチが多く生息しています。また、生息地が限られ、ヒメカンアオイのみを食草として「春の女神」と呼称されるギフチョウも数多く見られます。
このように北山湿地は、固有の希少な動植物相を有する岡崎市最大の湿地であり、渓谷の中にあって、動植物とそれによって作り出された景観を持つ湿地として大変貴重です。
なお、北山湿地では、毎年、春、夏、秋の年3回、環境部の主催で自然観察会を開催しており、湿地の知識や自然環境の保全についての学習の場となっています。近年では、近隣の小学校のクラス単位による環境学習も行われており、子どもたちの環境意識の向上に努めています。
春は多くの草花が咲き、生き物の活動も活発になります。暖かい季節になりましたら、ぜひ北山湿地に足をお運びいただき、自然との出会いを楽しんでください。
■北山湿地は大小10か所あまりの湿地群からなる、岡崎市で最も大きな湿地です。
■湿地には豊かな自然が育まれ、多くの珍しい動植物が生息しています。季節によって、ムラサキミミカキグサやヒナノシャクジョウといった湿性植物や、現在は生息地が限られているギフチョウなど、普段見ることのできない貴重な動植物を観察できます。