外来植物・メリケントキンソウとの闘い
芝生が「痛い」!?
毎年じわじわと、しかし確実に来園者数を増やしているわんPark。スタッフたちにとっても、これは大きな喜びです。そんな平穏なわんParkに変化が起きたのは6月のある日。裸足で遊んでいた来園者の子どもたちが、こんなことを訴えてきたのです。「芝生を歩くと、痛い」。これが、各県でも注意喚起がなされている外来植物「メリケントキンソウ」の猛威の始まりでした。
鋭いトゲを靴の裏に“刺して”移動
身動きがとれない植物にとって、「移動」は命がけのテーマ。というのも、別の場所に移動して子孫を残し、ひょっとしたら大繁栄…というビッグな夢が叶うかもしれないのです。
そんな大チャンスを狙う彼らの移動方法は、タンポポのように風で種を飛ばす、スミレのように種をアリに運ばせる、鳥やクマといった動物に食べてもらい、糞と一緒に“種まき”をしてもらう…とさまざま。
メリケントキンソウの場合は、花にトゲを持ち、種にはさらに鋭いトゲを装備していました。種のトゲを踏んだものに刺さり、移動するのです。そのギミックには、ちょっとでも分布域を広げたいという強烈な思いが込められていたのです。
そんな大チャンスを狙う彼らの移動方法は、タンポポのように風で種を飛ばす、スミレのように種をアリに運ばせる、鳥やクマといった動物に食べてもらい、糞と一緒に“種まき”をしてもらう…とさまざま。
メリケントキンソウの場合は、花にトゲを持ち、種にはさらに鋭いトゲを装備していました。種のトゲを踏んだものに刺さり、移動するのです。そのギミックには、ちょっとでも分布域を広げたいという強烈な思いが込められていたのです。
メリケントキンソウ対策、始まる
生命力豊かな自然の一面とはいえ、ロマンに浸ってはいられません。なぜなら、花や種が子どもたちに刺さる、かつ来園者の靴底に刺さった種が市内各所に広がっていく…という大リスクがあるからです。
そのため、まず対外的にはホームページ上で、現場では看板を設置してメリケントキンソウの存在を周知しました。メリケントキンソウの繁殖エリアには来園者が立ち入らないよう柵を設置。さらに、除草剤の散布計画を進めました。専門家に相談し、除草剤は、人体への影響がなく、イネ科植物(芝)には効かないものを選びました。
そのため、まず対外的にはホームページ上で、現場では看板を設置してメリケントキンソウの存在を周知しました。メリケントキンソウの繁殖エリアには来園者が立ち入らないよう柵を設置。さらに、除草剤の散布計画を進めました。専門家に相談し、除草剤は、人体への影響がなく、イネ科植物(芝)には効かないものを選びました。
できてしまった種をどうするか?
悩まされたのは、今年の長雨。予定よりも散布作業が遅れてしまったため、トゲのある種ができてしまったのです。ホウキで掃いて除去を行いましたが、それでも草の間に入ったものがちらほら…。大型吸引機(バキューム)を借用し、散らばった種を吸い取って、中央クリーンセンターで処分しました。
また、種落としマット(泥除けマット)を設置しました。わんPark帰りの皆さんの靴裏についた種をここで落としてもらい、種が市内各所に運ばれるのを防ぎます。
また、種落としマット(泥除けマット)を設置しました。わんPark帰りの皆さんの靴裏についた種をここで落としてもらい、種が市内各所に運ばれるのを防ぎます。
大イベントをにらんで、ダブル対策
こうした対策を打ったものの、7月下旬には1,000人以上の方々が来園する大イベントが控えていました。吸引しきれなかった種が来園者によって芝生広場全体に広がってしまう可能性も考えられるため、繁殖域を川砂で厚くカバーして、盤石の体制としました。
まだまだ警戒・対策は続く
こうしてひと通りの対策は取りましたが、気になるのは、一度侵入した植物の根強さ。外来種ともなれば、その生命力は、想像以上です。
次回、彼らが芽吹くとすれば、ほかの植物が枯れ出す11月以降。この頃には緑色が目立つため、これまでの対策でどれほど効果があったか、わかるはずです。また、この時期を狙って再び除草剤を散布する予定です。これにより、現在、種で残っているメリケントキンソウを除去します。
皆さんに快適に御利用していただけるよう、これからも私たちは対策を続けていきます。
次回、彼らが芽吹くとすれば、ほかの植物が枯れ出す11月以降。この頃には緑色が目立つため、これまでの対策でどれほど効果があったか、わかるはずです。また、この時期を狙って再び除草剤を散布する予定です。これにより、現在、種で残っているメリケントキンソウを除去します。
皆さんに快適に御利用していただけるよう、これからも私たちは対策を続けていきます。